TALK03

商品・ブランドの魅力をデザインで向上

VALUE

  • プロダクトデザイン
  • パッケージデザイン
  • ブランディング
  • コピー開発
  • 人材育成

PROJECT

  • 2017年4月〜
  • 調査・企画2ヶ月
  • 実行6ヶ月
  • 運用継続中

地方にいるとものづくりは出来るんだけど、感性の部分やコンセプトに合った表現をブラッシュアップするところが弱くなってしまうので。デザイントークさんにはそういう部分を担ってもらっています。

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リピーター続出!
人気ブランド『ケアソク』ができるまでを
中林社長(当時)に聞きました。

「靴下の真のお客様は誰なんだろうと再考していく中で、
皆さんの足こそが真のお客様なんだと捉えたんです。」

会社概要について聞かせてください。

山忠は創業61年の靴下を中心とする製造直販の会社で、戦後4人の兄弟たちで創業しました。モノのない時代からスタートして、製造した靴下を問屋に卸すことなく直接行商で売り歩いたのが始まりです。関東ではあまり知られていないかもしれませんが、寒冷地方に住む方々には長年ご愛顧いただいており、高い商品力と手厚いカスタマーサポートの充実を目指しています。

自社ブランド『ケアソク』はどのような経緯で開発されたのですか?

数年前の話になるんですが、会社の60周年を控えたタイミングで私自身すごく悩んでいたんです。そもそも60周年といえば企業還暦ですので、一度初心に返る必要があると考えていました。じゃあ靴下の真のお客様は誰なんだろうと再考していく中で、皆さんの足こそが真のお客様なんだと捉えたんです。そんな中でご縁がある方と足の勉強会を開催することになりました。基本的な足の構造などを学んでいくと、膝だったり腰に問題を抱えている人のほとんどが足のアーチがつぶれていると知ることができました。それを正しいかたちにすることが大事で、靴下で改善するのであれば凄いことだと。そこからうちの工場の技師たちを交えて試行錯誤する中で、『ケアソク ととのえる』の原型が生まれたという経緯があります。

形になっていく中で、手応えはいかがでしたか?

最初のプロトタイプの靴下を履いた時に、これはいける!と思ったのを覚えています。科学者の友人からは、効果をきちんとデータで実証する事が大切という話をされて。きちんとした機械を購入してデータを測定したら、靴下を履くだけで数字でもしっかりとした効果が出たんです。その時にすごく未来が開けたというか、靴下の可能性が一気に開けて。フットヘルスケアをやっていこうと意思が固まりました。まだまだ開拓されていない分野でしたので、これは世の中に貢献できるぞと思えたんです。また、足の権威である新潟医療福祉大学の阿部薫先生をはじめ、様々な出会いがあり企画を進めることができました。

「足に具体的な課題がある方が手にとってくれるような
信頼感のあるデザイン・ブランドにすることが大事だなと思ったんです。」

開発を進めていく中で、デザインに課題があったそうですね。

そうですね、きちんとブランド化していけるデザインが必要だなと感じました。お土産物屋さんのギフトコーナーに置いてもらえるような可愛らしいデザインではなくて、足に具体的な課題がある方が手にとってくれるような信頼感のあるデザイン・ブランドにすることが大事だなと思ったんです。その実現には外部の方の力を借りたほうがいいなと感じましたので、コンサルティングをお願いしている方にデザインチームを作ってもらいました。その中にデザイントークさんがいらっしゃったわけです。

理想の実現に向けて、今までにない挑戦をされたんですね。

今までの当社のものづくりのベースを生かして、デザイントークさんを含めたクリエイターの方々とコラボレーションして作ったのが『ケアソク』だなと感じています。私たちが打ち出した戦略の実行を感性面でサポートしてくれる方たちが集まってくれました。

いつもの靴下を『ケアソク』に履き変えるだけで健康になれる、というコンセプトでデザイン開発が進んだとお聞きしました。

どうしても機能ばかりを考えていたところがありまして。デザインもしてはみたけれど、それなりな感じなんですよね。その部分はデザイントークさんに大いにカバーしていていただきました。機能性がどんなに高くても、見た目が悪かったり履きづらいと日常的に使っていただけないので、商品の機能性を保ちながら美しい見た目を両立させることがデザイン面の課題だと指摘してもらいました。

「デザイントークさんのお仕事は部分から入っても全体像が分かるし、全体から入ってもデザイン的な統一感があるのですばらしいなと。」

デザイントークの印象はいかがでしたか ?

最初にお会いした時にデザインについての考え方などを伺って、非常にワクワクしたのを覚えています。デザインとは問題を解決するための思考なんだと。企業の課題はデザインで解決することができると捉えているんですよね。また、様々な情報を整理統合してあるべき姿にしていくところが非常に面白いなと感じました。

デザイントークは主に商品とパッケージの設計を担当しました。

パッケージの強烈な印象がすごいですね。ある方からはiPhoneの箱のように捨てられませんというお声をいただいています。非常に開封しやすくて煩わしさがなく、女性らしい気遣いを感じるパッケージだと思います。また全シリーズでパッケージの形状や見た目が統一されていて、並べた時にしっかりとした印象を受けます。全体設計がなされているというか。私たちはどうしても部分から入ってしまいますからね。そして気がついたら全体が出来上がっててチグハグになっているケースが多いので、単純にすごいなと思います。デザイントークさんのお仕事は部分から入っても全体像が分かるし、全体から入ってもデザイン的な統一感があるのですばらしいなと。我々だけではできなかったですし、物事を見ている視野や距離感みたいなものが違うんだと感じました。

「今までの当社の顧客層ではなかった若い方にも
ご購入いただけるようになりました。」

ご依頼後の効果についてはいかがですか?

おかげさまで売り上げは堅調に伸びています。編み機の台数も当初より10台増やしました。足について困っている人はたくさんいますから、これからどんどん伸びていくと思います。昔から山忠を知って下さっている方からも、足の問題が解決したというお手紙を頂戴しています。今までの当社の顧客層ではなかった若い方にもご購入いただけるようになりました。皆さまにご好評いただき嬉しい限りです。

今後、デザイントークに依頼をする経営者さんへメッセージがあればお願いします。

デザイントークさんが何でも出来るからこそ、依頼をするならば自社が何をしたいかを明確にする必要があると思いますね。あとは地方にいるとものづくりは出来るんだけど、感性の部分やコンセプトに合った表現をブラッシュアップするところが弱くなってしまうので。デザイントークさんにはそういう部分を担ってもらっています。

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カタログ担当だった坪谷さんが
『ケアソク』ブランドマネージャーになるまでを聞きました。

「デザイントークさんからはデザイン思考といいますか、
ユーザーのニーズを汲み取って、商品に落とし込むという
プロセスを教えていただきました。」

山忠さんで働かれてどのくらいですか?

30歳の時に中途採用で入社しまして、だいたい6年目くらいです。『ケアソク』の担当になるまではカタログの紙面の企画をしていました。昨年『ケアソク』の新商品開発プロジェクトのメンバーに選んでいただき、カタログの業務の合間に少しずつ参加するようになったという経緯です。

新商品開発プロジェクトは、中林社長(当時)からデザイントークへの“ブランドを運営できる社内人材を育ててほしい”という依頼により立ち上がったそうです。

そういう狙いがあったとは知らなくて、当初は単純に商品開発だと思っていましたね。当時『ケアソク』には丈が短いタイプしかなかったので、丈が長い新商品を開発しようと動き出しました。デザイントークさんからはデザイン思考といいますか、ユーザーのニーズを汲み取って、商品に落とし込むというプロセスを教えていただきました。東京に市場調査に行ったり、丈の長い靴下のユーザーの傾向や総数を調べたりと様々な経験をさせてもらいました。

出来上がった商品を見た時にどのような感想を持たれましたか?また、こだわった部分はありますか?

そこに至るまでには様々なプロセスやドラマがあったので出来上がった時は感動しましたし、デザイントークさんのご協力がなければ新商品は完成しなかったので感謝の気持ちが湧きました。また、チームで働く事の面白さに気づくことができました。新商品でこだわった部分としては、機能性とユーザーニーズを両立し、おしゃれで日常使いできるという部分です。

「足の健康って難しい印象を持たれることが多いので、
それを噛み砕いて面白いコンテンツにすることで、
皆さんに身近に感じていただきたいですね。」

『ケアソク』のブランドマネージャーに任命された時にはどのように思いましたか?

まず第一に自分でいいのかなという気持ちになりましたし、それは今でも思っています。ただすごく好きなブランドなので嬉しいというところもありました。この商品をもっと世に広めたいなと感じています。

デザイントークとのプロジェクトの中で得たノウハウはありますか?

商品開発やコンテンツ作りの面で本当にたくさんの事を教えていただいたのですが、問題に直面してもユーザーニーズや要件に合う選択肢を出して検証しながら絞り込んでいくことで、前に進めるんだと知ることができました。そうした経験を経て、何か問題が発生した時に自分で具体的なアクションが起こせるようになったのは大きいと思います。デザイントークの宮田さんはとても推進力のある方なので、間近で見ていてすごく参考になりました。宮田さんならどうするかなとか、宮田さんのやり方を真似してみようとかいろいろな場面で考えるようになりましたね。

今後『ケアソク』をどのようにしていきたいと考えていますか?

『ケアソク』との出会いをきっかけに「足の健康の大切さがわかったよ」「足って面白いね」と思ってくれる人を一人でも多く増やしていきたいです。そして、その人が足の健康づくりを楽しく続けられるようにサポートできるブランドになっていきたいです。足について考えることが当たり前になって、例えば健康診断でも足の状態を診てもらえるような世の中になっていったらいいなと考えています。

ブランドマネージャーとしてはどのようになっていきたいと考えていますか?

多くの方に愛されるブランドストーリーを描ける人間になっていきたいです。デザイントークさんとのプロジェクトを通してブランディングの大切さを学びましたし、楽しさも感じる事ができました。まだブランドとして課題はたくさんありますが、これからどんどん『ケアソク』を進化させていきたいです。

取材日: 2019/09/19

CREDIT

  • Project Consulting SHIGEKI SHIRAKURA (Plugnauts)
  • Product Direction / HR Development DESIGNTALK, INC.
  • Art Direction / Graphic Design / Web Design KAZUO SOMA (ou)
  • Concept Making / Brand Management YUKO TAKADA
  • Client 株式会社 山忠 <本社>
    〒959-1395 新潟県加茂市下条甲496-1
    <靴下工場>
    〒959-1395 新潟県加茂市下条甲435-1
    <直営販売店>
    足の健康専門店
    〒959-1395 新潟県加茂市下条甲496-1
    https://www.yamachu.net/ ケアソク ブランドサイト
    https://www.caresoku.com/
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