TALK02

店舗の課題をサービスデザインで解決

VALUE

  • サービスデザイン
  • ブランディング
  • 店舗デザイン
  • 人材育成

PROJECT

  • 2018年6月〜
  • 調査・企画2ヶ月
  • 実行2ヶ月

リニューアル後、初年度の売り上げは前年比126%を達成しました。商品数を絞った結果、客単価・坪あたりの単価ともに上がったので狙い通りですね。

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「新コンセプトによる店舗リニューアル」
で得たものとは?

「どうにかせねばと常に感じていましたし、
売り上げやスタッフの労力の面でも限界がきていたと思います。」

会社概要について聞かせてください。

山忠は創業61年の靴下を中心とする製造直販の会社で、戦後4人の兄弟たちで創業しました。モノのない時代からスタートして、製造した靴下を問屋に卸すことなく直接行商で売り歩いたのが始まりです。関東ではあまり知られていないかもしれませんが、寒冷地方に住む方々には長年ご愛顧いただいており、高い商品力と手厚いカスタマーサポートの充実を目指しています。

製造直販を主とする山忠さんですが、敷地内に店舗を作ることになった経緯をお聞かせください。

元々は市内のお客様向けでした。お近くに住んでる方にはカタログ販売が通用しないんですよね。今すぐに欲しいという場合が多いので、注文から発送まで様々な工程が必要になるカタログ販売だと実現できなくて。そこで、車庫だった建物を改装して販売を始めたという経緯があります。今から15年位前の話になりますね。

リニューアル前の店舗ではどのようなことが課題でしたか?

靴下のみならず枕や衣料品など商品の数がとにかく多くて、棚を埋め尽くしてしまっているような状態でした。お店によく来てくださる方は自分の欲しいものを発見できたかもしれませんが、新規に来店された方はどこに何があるか分からないような店舗だったので。どうにかせねばと常に感じていましたし、売り上げやスタッフの労力の面でも限界がきていたと思います。

「デザイントークさんに任せれば安心、
信頼してお任せしました。」

リニューアルにあたり、要望はありましたか?また、デザイントークに依頼したきっかけをお聞かせ下さい。

一番理想としてあったのは、お客様のすべての要求を満たそうとするよりも、絞り込んだ要求に対して十分な提案ができるということですね。絞り込んだ要求とは何かと考えて、やっぱり『足の健康』だよねと言う結論になりました。じゃあ靴下を主軸に店舗を再構築していこうと考えていた時に、デザイントークさんに相談したわけです。以前、自社製品の『ケアソク』を展示会に出した時にブースのデザインや導線設計をしていただいたんですが、完璧なクリエーションだったので。デザイントークさんに任せれば安心、と信頼してお任せしました。

「リニューアルをしていく上で、
店舗のスタッフを巻き込んで楽しく進めていってくれました。
スタッフたちもとてもワクワクしていたのが印象的でした。」

デザイントークは、陳列の方法にルールがない、たまにいらっしゃる若いお客様がすぐ出て行ってしまう、外観からして何のお店が分かりづらいといった点を課題として捉えました。

お客様やお世話になっている方々からも、何を売っているお店なのか分からないとご指摘をいただいていました。購入していただけるチャンスをかなり逃していたんじゃないかなと思います。

今回のリニューアルでは、デザイン思考に基づいた顧客観察や、お客様のニーズを軸としたサービス開発などを店舗スタッフの方々と一緒に進めていきました。それについてはいかがですか?

そこがすごく良かったなと思っています。リニューアルをしていく上で、店舗のスタッフを巻き込んで楽しく進めていってくれました。スタッフたちもとてもワクワクしていたのが印象的でした。結果として、販売する商品の数をかなり絞ることになったのですが、私としても大賛成でしたね。具体的な悩みを持ったお客様にご満足いただけるサービスを提供できるようになりましたし、店舗の意義のようなものを感じました。

「リニューアルが成功したことによって、
様々な可能性が広がったというか。
今後の展開が非常に楽しみです。」

ご依頼後の売り上げについてはいかがですか?

かなり良いですね。リニューアル後、初年度の売り上げは前年比126%を達成しました。商品数を絞った結果、客単価・坪あたりの単価ともに上がったので狙い通りですね。お客様が欲しいものがしっかりと買えるようになったのだと思います。リニューアルが成功したことによって、様々な可能性が広がったというか。今後の展開が非常に楽しみです。

リニューアル後に客層が変化したとお聞きしました。

リニューアル前は60〜70代のお客様中心だったんですが、40〜50代の娘さんとそのお子さん(孫)の3世代で一緒に来てくれるようになりました。今まで来店してもすぐ帰ってしまっていた客層が新たな顧客になった事は嬉しい限りです。この店舗が今後の会社経営の1つの試金石になると私は考えています。

トレンドを押さえつつ、スタッフの中に入り込んで
一緒になって解決していくというのがデザイントークさんの
得意とするところだと感じています。」

デザイントークに対してのご要望があればお願いします。

トータルデザインという部分ですね。山忠とお客様が接する部分で統一したイメージを確立したいと考えています。また、足の健康についての様々な情報をお客様に伝えるためのコンテンツ作りがこれから多く必要になってくるなと。それらの実現に向けてデザイントークさんにご協力いただけたらと思います。

今後、デザイントークに依頼をする経営者さんへメッセージがあればお願いします。

アドバイスをするならば、新しいサービスを開発する上では日頃からお客様に接しているスタッフを巻き込んだ形をとることがすごく大切だと思います。それにプラスして時代感を読み取っていくことでユーザーのニーズが汲み取れるので。トレンドを押さえつつ、スタッフの中に入り込んで一緒になって解決していくというのがデザイントークさんの得意とするところだと感じています。

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新たな客層の獲得に成功!
スタッフと共に作り上げた新店舗

「お客様が望んでいるお店はどうあるべきなのか
深く考えるきっかけをもらいました。」

足の健康専門店スタッフ(株式会社山忠 マーケティング本部) | 左から川口様 ・五十嵐様・渡辺様・桜井様

リニューアル以前はどのようなことにお悩みでしたか?

桜井様(以下 / さ)「とにかく商品の数が多すぎて、店員でもどこに何があるか分からない事がありました。お客様も困ってらっしゃいましたし、スタッフ同士でもどうにかならないかと話していました。」

五十嵐様(以下 / い)「私たちが分からないという事は、お客様はもっと分からないということになりますからね。」

川口様(以下 / か)「膨大な数の中から目当ての商品を探すことが仕事の中心になってしまって、接客に時間が取れないという悩みがありました。あれはどこですか、これはどこですかと質問してくださるお客様に対応する必要があったので。」

デザイントークとリニューアルを進めていく中で印象に残った事はありますか?

さ:「リニューアルをするぞとなった時に、デザイントークさんからの指示通りに作業をこなすくらいの気持ちで考えていたんです。しかし実際には私たちスタッフも企画づくりにガッツリ参加する形だったので驚きました。デザイン思考による顧客観察を行なってお客様のニーズを捉えていったり、お客様が望んでいるお店はどうあるべきなのかを深く考えるきっかけをもらいました。そういったプロセスがなく、デザイントークさんがデザインしたお店にポンッと入る形だったら、受け身になってしまったと思います。リニューアル後にお店を運営していく上で、シーズンごとにどういう売り場作りをしようとか考えられなかったですね。私たちスタッフが主体にならねばという覚悟が生まれました。」

スタッフ間で、『お客様の足のお悩みが解決してうれしいね』とか『お客様が喜んでくれてよかったね』と話すことも多くなりました。」

リニューアル後の業務の変化をお伺いします。

い:「働く私たちにとっても、お客様にとってもシンプルで分かりやすいお店になりました。お客様が自分で商品を見つけられますし、足のお悩みごとに商品が陳列されているので、お客様の行動で来店目的が理解できるんです。探す手間が省けたことによって商品の説明をする時間を増やせるので、サービスの質も向上したと思います。自然とお客様の足を見る時間も増えたので、経験値がどんどん上がっているというのもありますね。皆さんいろんなお悩みを抱えていらっしゃるので。」

さ:「お客様の足のデータを共有して、みんなで考える機会が増えました。スタッフ間で、『お客様の足のお悩みが解決してうれしいね』とか『お客様が喜んでくれてよかったね』と話すことも多くなりました。また、デザイントークさんは新しい取り組みの提案をする際に、これをやるともっと楽しくなるよというスタンスで伝えてくれるのでありがたいですね。先日も商品説明のPOP作りを提案してくださいました。デザイントークさんはいろんな入り口やきっかけを作ってくれるんですよ。だからやってみようという気持ちになれて、新しい自分に日々出会えています。」

「様々な工夫ができるようになって、
スタッフに実はこんなスキルがあったんだと発見が多いですね。」

店舗のリニューアルを通して、スタッフの皆さんの気持ちや関係性も変化したんですね。

さ:「デザイントークさんとの仕事を通して、自分たちの強みに気づくことができたのが大きいですね。デザイントークさんが提供してくれた、チームワーク向上のためのワークショップでお互いの長所というか強みについて理解を深めたんですが、他のスタッフの今まで意識してなかった面に気づくことができましたね。最初はこんな取り組みで良くなるわけないと考えていたんですが、とても仕事がしやすくなって良かったです。」

渡辺様(以下 / わ)「ワークショップはお互いを理解していくことが単純に楽しかったですし、チームワークを強めることができたと思います。皆さんから、自分の強みは物事をポジティブに捉えていくところだと評価してもらえました。」

か:「それぞれの強みを理解できたことで、お店作りにもそれが生きていて。先ほど話に出たPOPに関しても、前の店では値段だけしか書かれてなかったんです。今ではイラストだったり色使いだったり、様々な工夫ができるようになって、スタッフに実はこんなスキルがあったんだと発見が多いですね。」

「働く側としても張り合いがあります。
リピーターの方もすごく増えましたね。」

リニューアル後に客層の変化があったそうですね。

い:「若い方が来て下さるようになったのが嬉しいですね。今までだったらあり得なかった、スポーツマンの若い男性2人組が来たりして。働く側としても張り合いがあります。リピーターの方もすごく増えましたね。ポイントカードをお渡ししているんですが、皆さん受け取って下さるのでまた来たいと思っていただけてるのかなと思います。」

わ:「店舗の駐車場も変化しましたね。今まではご年配の方が多かったのですが、若い人が乗るような車とかファミリーカーがすごく増えたと思います。足についてお悩みを多くのお客様がお持ちなのだと再認識することができました。」

「良いサービスを追求していきながら、お客様に飽きられない・働く私たちも飽きないような商い(あきない)を続けていきたいなと考えています!」

今後どのようなお店にしていきたいと考えていますか?

い:「やっぱりベースとしてあるのは、お客様の足の健康をサポートする役割を継続的に果たしていくという部分ですね。新店舗では、来店された方の足底圧の計測をして課題を分析したりデータを記録しているんですが、うちの靴下を履いていただくことで大きく変化するので。お客様の足の健康を改善していきながら、フットヘルスケアの大切さをお伝えしていきたいですね。」

わ:「お店だったりイベントで、皆さんにもっと足に目を向けてもらえるようになったら良いなと考えています。それを通して、自分自身も一緒に成長できたらと思います。」

か:「デザイントークさんとの仕事を通して気づいた、それぞれの強みだったり役割をしっかりと果たすことで良いお店にしていきたいです。」

さ:「自分自身も良い足になりたいですし、お客様にも良い足になっていただきたいですね。良いサービスを追求していきながら、お客様に飽きられない・働く私たちも飽きないような商い(あきない)を続けていきたいなと考えています!」 〈座布団1枚!と一同拍手〉

取材日: 2019/09/19

CREDIT

  • Consulting/Design DESIGNTALK, INC.
  • Construction SHIN-SOBI CO., LTD.
  • Client 株式会社 山忠 <本社>
    〒959-1395 新潟県加茂市下条甲496-1
    <靴下工場>
    〒959-1395 新潟県加茂市下条甲435-1
    <直営販売店>
    足の健康専門店
    〒959-1395 新潟県加茂市下条甲496-1
    https://www.yamachu.net/
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