「靴下の真のお客様は誰なんだろうと再考していく中で、
皆さんの足こそが真のお客様なんだと捉えたんです。」
会社概要について聞かせてください。
山忠は創業61年の靴下を中心とする製造直販の会社で、戦後4人の兄弟たちで創業しました。モノのない時代からスタートして、製造した靴下を問屋に卸すことなく直接行商で売り歩いたのが始まりです。関東ではあまり知られていないかもしれませんが、寒冷地方に住む方々には長年ご愛顧いただいており、高い商品力と手厚いカスタマーサポートの充実を目指しています。
自社ブランド『ケアソク』はどのような経緯で開発されたのですか?
数年前の話になるんですが、会社の60周年を控えたタイミングで私自身すごく悩んでいたんです。そもそも60周年といえば企業還暦ですので、一度初心に返る必要があると考えていました。じゃあ靴下の真のお客様は誰なんだろうと再考していく中で、皆さんの足こそが真のお客様なんだと捉えたんです。そんな中でご縁がある方と足の勉強会を開催することになりました。基本的な足の構造などを学んでいくと、膝だったり腰に問題を抱えている人のほとんどが足のアーチがつぶれていると知ることができました。それを正しいかたちにすることが大事で、靴下で改善するのであれば凄いことだと。そこからうちの工場の技師たちを交えて試行錯誤する中で、『ケアソク ととのえる』の原型が生まれたという経緯があります。
形になっていく中で、手応えはいかがでしたか?
最初のプロトタイプの靴下を履いた時に、これはいける!と思ったのを覚えています。科学者の友人からは、効果をきちんとデータで実証する事が大切という話をされて。きちんとした機械を購入してデータを測定したら、靴下を履くだけで数字でもしっかりとした効果が出たんです。その時にすごく未来が開けたというか、靴下の可能性が一気に開けて。フットヘルスケアをやっていこうと意思が固まりました。まだまだ開拓されていない分野でしたので、これは世の中に貢献できるぞと思えたんです。また、足の権威である新潟医療福祉大学の阿部薫先生をはじめ、様々な出会いがあり企画を進めることができました。